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「君が生きた証」と「はじまりのうた」

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先週久しぶりに映画をハシゴして観ました。しかもたまたまですが、どちらも音楽が重要な部分を担っている作品。

まず先に観たのはウィリアム・H・メイシー初監督作品「君が生きた証」
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テーマがかなりヘビーで色んなことを考えさせられる作品でしたが、とにかく音楽と演技の良さで最後まで目が離せませんでした。あまり詳しい話をするとネタバレになってしまうので、そこに触れずにこの映画について語ろうとすると肝心なテーマに触れられないという少し解説・感想が言いにくい作品です。なので監督の演出・役者の演技・音楽についての感想を述べたいと思います。
まず監督の演出ですが、初監督作品なのにあまり迷いがない感じがしました。流石名監督たち(PTAやコーエン兄弟)の作品に出演している名バイプレイヤーですね!幾つか登場人物の心情や行動の動機がわかりにくいシーンがありましたが、作品の流れ上仕方ないのかなぁ…とも思いますし、あと2〜3作品くらい監督するともっと熟練して語り口も巧みになっていくような感じがします。
次に役者の演技ですが、主要キャストの演技や演奏・歌は本当に素晴らしかったと思います。ビリー・クラダップはかなり複雑な状況に置かれて、かなりヘビーな心情を抱えている主人公を見事に演じていたと思いますし、何と言っても演奏・歌が素晴らしかった!若いバンド仲間になるアントン・イェルチンや、主人公の別れた妻役のフェリシティ・ハフマン(監督の奥さんですね)、ローレンス・フィッシュバーンも見事な演技でした。
音楽の素晴らしさについては何も言うことはありません。この作品の性質上、音楽がショボかったら作品自体台無しになりますが、観た後に何とも言えない余韻が残るのは劇中で演奏される音楽が素晴らしいからだと思いますし、特に最後にビリー・クラダップが1人で弾き語る曲の歌声や歌詞(特にその曲を演奏する前のMCや、曲の完成した背景を考慮に入れると)が胸に迫るものがありました。演奏が終わってエンドクレジットが流れた後に、主人公がこれからどういうふうに生きていくんだろう…と思わざるをえない深い作品だったと思います。


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(↑このシーン、大好きでした!)

続いて観た作品は「はじまりのうた」。
監督は大好きな作品「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー。主演はキーナ・ナイトレイとマーク・ラファロ。こちらは原題の「BEGIN AGAIN」からも読み取れるように、主演の2人が陥っているどん底の状況から音楽を一緒に制作していくことを通して徐々に立ち直っていき、目を背けていた問題にも向き合い、前に進み出す…といった作品で観た後の爽快感が実に気持ち良い作品でした!音楽が好きで、それによって救われたことがある人ならきっと好きな作品だと思いますし、音楽の力をきちんと信じて真正面から捉えている愛すべき作品だと感じました。間違いなく今年の映画ベスト5にランクインするであろう大傑作‼︎
役者について。主演のキーナ・ナイトレイ、これまであまり好きではありませんでしたが、この作品の彼女は凄くキュートでしたし、歌声も素晴らしかった!そしてもう1人の主演(と言ってもいいと思います)マーク・ラファロは、前にブログに感想を書いた「フォックス・キャッチャー」の兄役とまるで別人でしたし、演技も相変わらず最高で観ていて楽しかったですね。よく考えたらかなり複雑で難しい役だと思いますが、それを全く感じさせないくらい軽々と演じている(ようにみえる)のが凄い。あとはマルーン5のアダム・レビーンも演技初挑戦だと思えないくらい上手かったし、マーク・ラファロの娘役のヘイリー・スタインフェルド(「トゥルー・グリッド」の主演の女の子)も無愛想→素直になっていく様が可愛らしくて良かった。
そしてこちらの作品も音楽が本当に素晴らしかったですねぇ…個人的には「君が生きた証」よりも好きです!早くサントラ入手したいと思っています。