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シェフ 三ッ星フードトラック始めました

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ジョン・ファブロー監督/主演作品の「シェフ 三ッ星フードトラック始めました」を観た。こういう作品を上映してくれるようなシネコン(TOHOシネマズ おおいたアミュプラザ)が出来たのは素直に嬉しい。

ジョン・ファブローのことは主演・脚本を務めたインディーズ映画「スウィンガーズ」で知りました。確か映画館で観たんじゃなかったかなぁ…今はなきシネテリエ天神かKBCシネマだったような記憶があります。「スウィンガーズ」はなかなか面白い作品だったんですが、それ以降彼の出演作を観ることはありませんでした。そして次に彼の名前を目にしたのは、アメコミ原作の大ヒットシリーズ「アイアンマン」の監督としてでした。「いつの間にこんな出世しちゃったんだ!」と驚いたのを覚えています。

今回の作品は久しぶりにインディーズ系作品での監督作品らしいですが、「アイアンマン3」の監督をせずに(製作総指揮は務めているみたいですが)この作品を作った経緯がまるで作中の主人公カール・キャスパーそのものですね!所謂大ヒットフランチャイズ作品での監督というのは、この作品の中で描かれていた雇われシェフのようなものでしょうし…恐らく自身の表現・クリエイティブな発想などを作品に反映するのは規模が大きくなればなるほど難しくなるでしょうからね。ですから物語後半のカール・キャスパーが料理することに再び喜びを感じるようになった姿は、ジョン・ファブロー本人がインディーズ作品に戻って「誰にも口を出されずにやりたいことを俺は出来てる!嬉しい!楽しい!」っていう喜びを感じているであろう姿に重なって見えました。それと雇われシェフの時にレストランで出していた定番メニューよりも、フードトラックで出していた
キューバサンドイッチ(食べたい!)や、ベニエの方が遥かに美味しそうに描かれていたのは皆が気づく点でしょうが、これも「こちら(主人公の原点ともいえる料理/ジョン・ファブローにとってのインディーズ作品)が俺の愛する方だ」と宣言しているように思えました。

キャストについて。ジョン・ファブローはもちろん凄く良かったんですが、何と言っても息子役のエムジェイ・アンソニーくんと元妻役のソフィア・ベルガラが抜群に良かったです。可愛い今時の若者っていう感じの息子と外見も内面もイイ女の元妻。最近のアメリカ映画には欠かせなくなっているSNSが効果的に使われ(そのやり方を息子に教わるのがリアリティーありますよね)ていました。息子と元妻の2人と徐々に心が通っていき関係を取り戻していく様も見ていて微笑ましくて応援したくなりましたね
あと料理の右腕役のジョン・レグイザモも久しぶりに観たけど良かったなぁ。義理堅いラテンの陽気な男って感じが凄くハマってた。あと「アイアンマン」シリーズでジョン・ファブローとは旧知の仲のスカーレット・ヨハンソンとロバート・ダウニーJr.の2人の起用は、それらの背景を知っている人にとってはニヤッとするところでしょうね。スカーレット・ヨハンソン、珍しくストレートに凄く格好いい女性役でした。レストランのオーナー役のダスティン・ホフマンと、料理評論家役のオリバー・プラットも出番は少ないながらもいい存在感でした。この2人が根っからの悪人として描かれてなかった(彼らは彼らで自分の仕事を全うしているだけですし、そもそもカール・キャスパーが職を失ったり話題の人になったりするのはSNSでの大失態による自業自得な部分が大きいですからね)のも観ていて凄く気持ちいい部分でした。

音楽も本当に素晴らしかった。特にマイアミパートで使用されるキューバ音楽が最高!元妻の父親役のミュージシャンのおじいちゃんの格好よさったら!あんな格好イイおじいちゃんに憧れますね。しかし最近観た映画の音楽の格好良さの打率が8割という信じられない当たりなので、サントラ欲しくなって困ってます(笑)「君の生きた証」、「はじまりのうた」、「バードマン」、そしてこの作品。全部サントラ欲しい!

とにかく作品を観終わった時に感じた爽快感は今年観た作品の中でも1、2を争うくらいでしたし、間違いなく感じた空腹感はぶっちぎりで1位でした!
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