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6才のボクが、大人になるまで

先日行われた第87回アカデミー賞では惜しくも作品賞・監督賞を逃しましたが、授賞式2日前に「6才のボクが、大人になるまで」を観に行くことが出来ました。
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主演のエラー・コルトレーン君が6才の時の写真。本当に美少年!映画は彼が18才になり大学入学が決まり、家を離れる場面までを描いています。少年の成長を丁寧に描いた作品ですが、1つの作品の中で同じ4人の役者が12年もの歳月の間演じ続けていることが、この作品を他の映画とは違うスペシャルなものにしています。聞くところによると、リチャード・リンクレーター監督がこの作品を撮影している間に亡くなったりしたら、お父さん役だったイーサン・ホークが監督して続きを撮るような契約までなされていたとか。それだけの想いを持って作られた作品だと考えると余計にグッときますね。あと演じている間にリンクレーター監督とイーサン・ホークは離婚を経験し、エラー・コルトレーン君の両親も離婚したそうなので、その経験も作品に反映されているのだろうと思います。

描かれているテーマは幾つかあると感じました。「少年の成長」、「離婚した家庭での子育て」、「離婚した両親のそれぞれの再婚」、「世代間のギャップ」などです。それらのテーマを主要人物4人、特に主演のエラー・コルトレーン君と母親役のパトリシア・アークエットの12年の心情・環境・立場の変化で巧みに描いていたのがとても印象的でした。あとの2人(父親役のイーサン・ホークと、お姉ちゃん役の監督の娘さん)はいい意味で12年間あまり見た目も性格も変わってないですからね(笑)。イーサン・ホークはこの作品での12年間でいい感じで年齢を重ねてきたのがよくわかります。パトリシア・アークエットはセクシーな女性から、いい意味でアメリカのお母さん!みたいに変化していきますが…

大好きな場面は沢山あります。主演の幼いメイソン君(役名)が父親役のイーサン・ホークとお互い寝転がりながら話す場面、些細な事で始まる姉弟げんか、高校生になったメイソンが彼女に心のうちを打ち明ける場面、そして何よりもパトリシア・アークエットが成長した息子に泣きながらあることを訴える場面!どれも素晴らしかったと思います。

もちろん もっと掘り下げて描いて欲しい場面・キャラクターもありましたけど、12年間を1本の作品に巧みにまとめ上げたリンクレーター監督の手腕には脱帽です。彼の作品の中では間違いなくベストですし、このような素晴らしい作品を映画館で観れたのは喜びです!