趣味の部屋

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7〜9月に観た映画 旧作編

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気がついたらもう1月半くらいブログを更新していませんでした…その間あまり映画を観ていなかったんですけど、それでも5〜6本は観ているのでそれらについて書こうと思います。

これまで手元には持っていたのに観ていなかった旧作を2本自宅で観ました。1本はウェス・アンダーソン監督の日本未公開作品「天才マックスの世界」(原題:RUSHMORE)。主演はジェイソン・シュワルツマンフランシス・フォード・コッポラの甥っ子(コッポラの妹のタリア・シャイアの息子。つまりソフィア・コッポラとは従兄妹)ですね。共演はウェス・アンダーソン作品には欠かせない俳優ビル・マーレー‼︎彼らの奇妙な友情と、この2人が惹かれる女性を巻き込んでの奇妙な三角関係を軸に話は進んでゆきます。
ストーリーが進んでいくにつれ独特の雰囲気や凝りに凝った美術やセット、大きな欠陥や変な性格などを抱えながらもどこか憎めない愛すべき登場人物たちを楽しむことが出来ました。ウェス・アンダーソンの映画に所謂まともな人間って一人も出てこないですよね(笑)それでも彼の描く人物は一人としてぞんざいな扱いを受けないのがウェス・アンダーソンの特徴だと思います。彼の愛情が全ての登場人物に注がれているといいますか…この作品でも彼の独特の世界観を十分堪能出来ますので、彼のファンには堪らない作品だと思います。

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もう一本、最近観た旧作があります。大好きなフランソワ・トリュフォー監督の「華氏451」。彼のフィルモグラフィーの中でも恐らく1、2を争う異色の作品。「華氏451」は原作のレイ・ブラッドベリの描くSF世界に興味があったので、トリュフォーとSFというあまり噛み合わなさそうな組み合わせですが観てみました。本を読んだり所有していることが禁じられている近未来の世界で、消防士の主人公(オスカー・ウェルナーが好演)は本を見つけて燃やす仕事(「消防士は昔、火を消す仕事してたらしいな。信じられない」的なギャグは笑えました。英語で消防士はファイアーマンですからね・笑)をしておりそれを誇りに思っていましたが、謎の美女に出会い本に惹かれるようになり、妻(謎の美女と一人二役のジュリー・クリスティが素晴らしい‼︎)の密告により追われる立場になり…というストーリー。
凄く面白い設定ですし、近未来のディストーピア的な世界(消防士は見つけた本をその場で公開処刑みたいに公衆の面前で燃やす、テレビ・マスコミの報道への辛辣な皮肉や批判が込められた寒気がするような描写)が上手く描かれています。さらに音楽はあの巨匠バーナード・ハーマンが素晴らしいスコアを書き下ろしてますので、見所や褒める点はたくさんあるんです。ですが…個人的にはイマイチ乗れなかったですね〜。まず主人公が本に惹かれる動機や心情の変化がきちんと描かれていないように思えたので、彼の変化や行動に無理を感じたというかイマイチ感情移入出来ませんでしたね。あと奥さんの友達の前で本を朗読する場面も「何でそんな馬鹿なことしてわざわざ自分を危険にさらすんだ?」としか思えませんでした。どちらも突拍子もない感じがしたのは残念でした。ただ追われる立場になった主人公についてのある報道や、ラストの○○○○○○(←ネタバレしちゃうので伏せ字にしておきます)人々の中で生活する場面は「果たしてこれはハッピーエンドなのか?」といういう皮肉が込められたシーンになっており好感が持てました。でもやっぱりトリュフォー監督はラブストーリーや人間関係における心の機微を描く方が向いていると思いますし、やっぱりそちらの系統の作品の方が観たいですね…