趣味の部屋

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問題のあるレストラン

実は今期のドラマで一番期待していた作品は「デート〜恋とはどんなものかしら〜」ではなくて、坂元裕二脚本&真木よう子さん主演の「問題のあるレストラン」でした。
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(はっさくとマチルダも出演してるよ!)

大傑作だった「最高の離婚」の脚本家&製作陣が再び!という期待と、豪華な共演者たち(特に若手実力派女優の松岡茉優ちゃん、二階堂ふみちゃん、高畑充希ちゃんの3人)のことを知った時は本当にワクワクしました。

しかし第一話を観た時に感じた違和感と、目を背けたくなるような展開に少し驚いてしまい、しばらくは録画はしていたけれど観れずにいました。感じた違和感の一番大きな理由は台詞だったように思います。「最高の離婚」の時の瑛太くんや尾野真千子さん、真木よう子さんの台詞は、それぞれの絶妙なキャラ設定とその台詞と演技がハマっていたように思うんですが、今回の作品では真木よう子さんのキャラクターと言う台詞、そしてその台詞を言う場面に違和感を感じたんですね。「人間ってこういう状況でこんな立派なことをスラスラと言えるかなぁ…」という具合に。
あと目を背けたくなるような展開と書いたのは、ドラマの中で女性が被害者となる様々な問題がある意味赤裸々に描かれていたからです。例えば第一話の菊池亜希子さんの身に起きた事件や、第三話の松岡茉優ちゃん(彼女が本当に素晴らしい女優だというのがわかる神回!)の幼い頃のネグレクトなどです。他にもセクハラやパワハラ、家庭内DV、ストーカーとDVなどといったテーマがドラマに盛り込まれていました。木曜22時に観るドラマとしては重いテーマだと思います。それが期待されていたほど視聴率が伸びなかった原因かもしれませんね。よく考えたら坂元裕二さんは「それでも、生きてゆく」や「Mother」といった所謂社会派のドラマを書いた方なので、今回のドラマもそのラインで考えたらいいんですけどね…とにかく華やかな見た目(豪華な出演者)とは異なり、実は社会的な女性問題を扱った骨太のドラマだったと思います。

最初に感じた違和感や目を背けたくなるような展開を乗り越えてドラマを観続けたら、あとは坂元裕二ワールドにどっぷりハマってしまい、ドラマ中盤〜最終話まではほぼ一日で観てしまいました。本当に素晴らしい作品でした!印象的な回とシーンを幾つか挙げてみたいと思います。ます何と言っても第三話での松岡茉優ちゃんの演技。本当に本当に素晴らしかった…特にレストランでの母親とのシーンと、その後料理を作るシーン。泣いちゃいましたね〜。次に第六話のラスト近くの三人(松岡茉優ちゃん、二階堂ふみちゃん、高畑充希ちゃん)で買い出し→公園でお茶しながら交互にイヤフォンでシューベルトピアノソナタを聴く場面の美しさ!YOUさん演じる烏森さんが弁護士に戻る決意を話す台詞をその場面に被せることでより効果的だったように感じました。第八話の安田顕さん演じるハイジさんの演技も良かったなぁ…弟や家族に対する想いが伝わる最高の演技だった。同じ第八話では風間俊介くんの包み込むような優しい演技も素晴らしかったですね。彼は演技が上手いので、ドラマ「金八先生」や「それでも、生きてゆく」で演じたような見た目大人しそうなのに内面に凶暴なものを秘めている役柄の印象が強いですが、本来こういう柔らかい雰囲気を持つ人物の演技の方が彼の持ち味が生きるのではないか…とも思いました。

そして最終話。臼田あさ美ちゃん演じる三千院さんの息子くんが初恋の相手にラブレターを渡すまでの一連の下り、最高!二階堂ふみちゃんと菅田将暉くんのギクシャクした関係を解す山羊話。松岡茉優ちゃんが義理の弟に大事な三つの事を教える場面。仲間とビストロフーへの想いを語る二階堂ふみちゃんの素晴らしい演技。最後の営業が終わった後の恋バナ。真木よう子さん演じる田中が見る夢の多幸感。そして300日後へと繋がる素敵なエンディング…素晴らしい幕切れでしたね。

幾つか気づいた細かい点(例えば最後の営業日が3/26になっていたということは、全11話の予定が視聴率が良くなかったために全10話に変更になったのではないか?とか、300日後のビストロフーの面々の服装の変化)は気になりますが…とにかくあの終わり方だと「最高の離婚」の時のようにスペシャルドラマでまた制作される可能性はありますね!海のビストロフーでの日々を描くか、それとも300日の間ビストロフーの面々がどう過ごしていたのかを描くのも面白そうですね…楽しみに続報を待ちたいと思います。